略して「バタフライ効果」。男子団員二人中心のテキストを取り扱っています。
Posted by バタフライ効果 - 2008.07.06,Sun
気づいたときには既に飛び越えていた。
愛でもいい、恋でもいい、この感情と呼べるかどうかもわからない情動がそんな単純に割り切れるものだったなら、僕はここまで彼を憎んだりしなかっただろう。
憎む。
そう、憎む。
僕は彼を憎んでいる。
こんな言葉では生温いと感じるほどに、僕は彼を憎んでいる。
その考えは至極しっくりいった。今までわだかまっていた不確定要素の記号群が意味を得てようやく納得いく答えを見出したと思った。だがその行為はもう既に無意味だった。
気づいたときにはもう飛び越えていたのだから。
だから全てが無駄だった。今更だった。手遅れとはそういうことだ。どれだけ取り繕おうと僕は戦わずして敗者だった。
ダメになる。
ダメになった。
僕はもうどこかがおかしい。
もう僕には彼の足元に惨めに這いつくばってその愛情を乞うしか道がない。乞うたところで与えられるわけもない愛情を得るために縋るしかない。
なんて愚かで惨めなことだろう。人の尊厳なんて構っていられない。自尊心なんて彼の前では塵芥に等しい。
誰より彼が憎い。
僕を惨めな気持ちにさせる彼が憎い。
憎い。
僕は彼を憎んでいる。
憎むほどに、僕は彼に夢中だ。
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