略して「バタフライ効果」。男子団員二人中心のテキストを取り扱っています。
Posted by バタフライ効果 - 2008.09.08,Mon
「未来の話をしませんか」
「なんだ、突然」
僕の声に、長テーブルに肘を預けて頬杖をついた姿で前に置かれたボードゲームに視線をやっていた彼が顔を上げた。
「思考遊びですよ」
「はぁ?ますますわからん」
「たとえば明日、あなたは何をしますか?」
「今日と同じようにあの忌々しい坂を登って学校に来ているだろうさ」
「では一ヵ月後は?」
「……今日と同じようにあの忌々しい坂を登って学校に来ているだろうさ」
「では、いち」
「一年後、お前は何をしている?」
僕の言葉を遮るように、彼の口が言葉を吐き出した。
「……――そうですね、特に何か突発的な不測の事態に陥っていなければ進学していると思います」
「じゃあ三年後」
「――――」
「答えられないのか」
「――――ええ。どうやらそのようです」
「自分が答えられないことをお前は聞いたのか」
「申し訳ありません。自分で言い出したくせに、僕は答えを持ち合わせていないようです」
肩を竦め、苦笑するしかない。
たとえばの話ですら、僕は先を語れない。見通せない。果たして僕に未来と呼べるものが存在するのか、それすらわからない。
それでも――…。
「それでも僕は、今のこの状況を楽しんでいますよ」
そう言って笑えば、彼は呆れた顔で僕を見やるとやれやれと肩を竦めた。
未来は語れなくても、僕は今とても幸せだ。
[未来は語れなくても、]
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