唐突に零れた僕の声に、彼は「ハァ?」と思わず漏れた言葉と同時に怪訝そうに顔をしかめた。
「いきなり何言ってんだ」
「でもいつか死ぬでしょう?」
「そりゃそうだが…まだ十代半ばの相手に向けて言う言葉じゃないだろう」
それとも何か、お前は俺がそんなに早死にしそうに見えるのか?
「でもいつか死ぬでしょう?僕がいつか必ず死ぬように」
「そりゃそうだが…って、だから何考えてんだよ、お前は」
「だっていきものはいつか死ぬでしょう?猫でも犬でも人間でも、僕はいつでも考えてます。…口にしないだけで。僕にしてみれば考えないことのほうが不思議です」
「……疲れるからだろ」
「疲れる」
「そうだ。毎日毎日人の顔を見るたびにそんなことを考えてたら身が持たないだろ」
「……ええ、そうですね」
でも僕は考えずにはいられない。
街で見かけた猫や犬を可愛いと彼女たちが言うたびに、その手が無造作にその毛並みを撫でるたびに、僕は考える。
彼女たちを見るたびに、彼を見るたびに。
これはいつか死ぬいきものであると、僕の目は見ている。
どうして手を伸ばせるのだろう。
どうして怖くないのだろう。
どうしてそんなにも無頓着にいきものに触れるのだろう。
可愛いもわかる、綺麗もわかる、格好いいもわかる、好きもわかる。
こう見えても僕は動物も植物も好きだ。
でも――
「僕はきっと一生いきものと生活を共にすることはないでしょう」
だっていつか死んでしまうから。
ああ確かに身が持たない。
本当に美しいとは何か?
それは魂が揺さぶられるようと表現するしかないようなものだろうか?
見た瞬間涙が止まらなくなるような存在だろうか?
身動きが取れなくなり、瞬きを忘れて立ち尽くすほどの圧倒的な何かなのだろうか?
ああそれはまるで――神様のようではないか。
人の脳の中にしかいない。
目という記号、眼球という臓器、視覚という機能が見せて、脳が認識するそこに、美は存在し、神もまた存在する。
「つまり同じものを見ていても見たものを共有することはできない、ということが言いたいのでしょうか?」
「俺はお前じゃない。当然だがな。同じように、お前も俺じゃない。つまり、俺には俺が見ているものとお前の見ているものが同じ対象でも、それが本当に同じように目に映っているのか、きちんと脳が認識できているのかの判断ができん」
「つまり見るも聞くも美も神も、すべて知るのは当人のみ、ということですか」
「ああ。同じ記号を指していても、他人と真に何かを共有することなどできない。共有した気になったとしたらそれはすべて錯覚だろうよ」
「錯覚ですか。それは手厳しい。しかし何も共有できないとしたら、それはとても孤独でしょうね」
「みんな孤独さ」
「約六十八億人の孤独ですか」
「……いや。ひとりの孤独だろ。孤独も勿論、共有なんてできん。俺ひとりだけのものだ」
・・・・・・・・・・
何も考えず、思いつきだけで書いているのがバレるなぁ。そんな文章。
上の文章に関係ない話ですが、うちの古泉は理解を求めていないことが多い気がする。そのくせ多弁。何かを期待しているように見えて、本当は期待なんてしていない。だからなんか古泉の言葉はなんか上滑りする。これってキョンの立場にしてみたら酷い話なんじゃないだろうか。
「星が弧を描くように」を聞きながら。名曲です。ちなみに兄さんver。(原曲も好きだけど私兄さん好きなんよ)こんなにも美しくて優しくて切ない。ささくれた心に沁みるぜ…。あー…がた落ちのテンションから浮上できない。
「何がどうなって、というわけ、なのかを突っ込むのは野暮なんだな?」
「ええ。しかしまことに残念ですが、そう問い返している時点で結構な野暮ですよ」
「俺は八月の多忙でお疲れなんだよ」
「それを言うなら僕も大概お疲れですが」
「……」
「……――」
「長かったな…」
「ええ」
「もう延々と夏が終わらねえと思ったぜ」
「同じく」
「だが終わった!ああもう九月!」
「時の流れは速いですね」
「それで?今日出てきたのには理由があるんだろ?」
「今日は仕切りますね」
「さっさと終わらせて俺はこの夏の疲れを癒す」
「それには賛成です。では用件を」
「あ、この紙読めってカンペが出たぞ」
「“十月のオンリーにてコピ本の委託をしてもらいます”」
「あ、プリンタ繋がったんだな?」
「いちこさんに描いてもらった表紙データも見つけて、本文の組み直しもしたようですよ」
「へぇ。あいつもやればできるんだな」
「情報は早めに出しておくことも覚えたようですよ。“詳しくは「ななつのこ」を確認してください。”あ、いちこさんがまだ記載していないので書けないんですが、いちこさんの新刊、チェックよろしくお願いします」
「何があるんだ?」
「さあ?僕の耳に入ってきているのはいちこさんの新刊は可愛い本になるだろうということくらいです」
「ん?おい古泉、ここ読め」
「“古泉一樹の私生活の再販以外にもう一冊コピ本作る…かも?”」
「何だと?聞いてねぇぞ、おい」
「僕だって初耳です。いちこさんに下読みしてもらう予定のようですね。それで駄目出し出たら没にする、と」
「……没になれ」
「本音が駄々漏れですよ」
「言葉っていう呪いを発動させてんだよ」
「荒んでますねぇ」
「俺はこの夏動きすぎて疲れてんだよ!ちょっと休ませろ!」
「あははは、まったくです。しかし外からみたらこのブログ、ほとんど動いてない感じですけどね」
「割に合わねえ!」
「ストライキするなら付き合いますよ」
「……古泉」
「僕にだって疲労は溜まるんです。閉鎖空間では超能力者ですが、平時はただの高校生ですから」
「――今日はもう帰って休むか」
「賛成です」
「飯食って帰るか。勿論お前のおごりで」
「何が勿論なのかはあえて突っ込みませんよ。喜んで奢らせてもらいましょう」
「十分突っ込んでるだろそれ」
「割り勘にしますか?」
「あ?古泉何か言ったか?」
「それではお開きです。ではまたどこかで」
・・・・・・・・・・
メルフォよりメッセージありがとうございます!
前後編の前のみ。そんなに長くないんですが、ぶっちゃけ私が眠いので切りました。
続きはまた後で!多分明日!まだ十時台だけど、今日はもうおやすみなさい!
※23日追記
後編もアップしました~。
あともういっこくらい更新あるかも…?です。ま、どうなるかはわかりませんが。私のエンドレスな八月はまだ終わらねぇ。私がんばるなぁ。こっち(バタフライ効果)に更新しろと言われそうですが…。や、こっちも大事だけどさ、普段あんまり反応もらえないので、パスワード請求という反応してくれた人たちを少しでも喜ばしたいなぁと思っちゃうわけですよ単純だから。まー反応もえらえないのは私の性格が大きいんでしょうが!私って声かけにくいんかなぁ…。つーか、メッセージ送るほどの内容がないってことか…。あー…今自分で言って落ち込んだ!頭切り替えよう!あ、もうそろそろコピ本の製作準備始めないと間に合わない…。作業がすんごい遅いんで…余裕をもって時間があるときに作業しないとやばい…。えー…プリンタ接続まだしてない…データ探してない…。うん、私がんばる。
※23日更に追記
23日20:55までに問い合わせていただいた分に返信済みです。
メールが届いていない場合はお手数ですがご連絡ください。
※24日追記
24日21:35までに問い合わせていただいた分に返信済みです。
メールが届いていない場合はお手数ですがご連絡ください。
※25日追記
25日23:11までに問い合わせていただいた分に返信済みです。
メールが届いていない場合はお手数ですがご連絡ください。
※30日追記
問い合わせていただいた分に返信済みです。
メールが届いていない場合はお手数ですがご連絡ください。
問い合わせ期間は29日で終了です。
再公開期間は31日までです。
申請してくださった方々ありがとうございました!
たとえばそれをトラウマと呼ぶ人もいれば、ただの過去とする人もいる。
忘れない限り付きまとい忘れてたつもりでも燃え滓みたいな何かが足元にまとわり付いていたり。
それを燃料に進んでいく人もいれば、それに苦しめられて毎日を塗り潰されてしまう人もいる。
もしかしたら傷を傷と気づかないまま日々を過ごしていく人もいるだろう。
他人からしてみればどうでもいいような小さなそれを払拭するために一生を使う人だっている。
痛くて苦しくて、傷があるのはむしろわかりやすくて、
本人にすらわからない、気づかない、よく見たってもうわからないくらい小さな小さな傷の跡が、
その人にとって最も不幸なことだったりもするだろう。
そして自分を不幸にするのは自分の認識以外の何物でもないと知るだろう。
心の持ちようなんて綺麗事ではなく、
ただ純然とした答えとしてそれはそこにある。
「世界が僕を不幸だと言おうと、僕は僕自身の不幸を認めません」
笑え、そして戦え。
自分が不幸でないという証明をするために、その一生を捧げることになったとしても。
抱えた傷が一生かかってようやく塗り潰せるかどうかの大きさだとしても。
戦い続ける間は負けは決まらない。
古泉一樹を古泉一樹たらしめるのは古泉一樹でなければならない。
・・・・・・・・・・・
以下問い合わせ返信状況
・20日21:30までに問い合わせていただいた分に返信済みです。
メールが届いていない場合はお手数ですがご連絡ください。
※18:53に問い合わせてくださった方へ。
返信メールで件名を入力し忘れて送信してしまいました!21:21頃でアドレスのブロバイダがso-netでのメールがありましたらバタフライ効果からのです。大変申し訳ありませんでした。
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